NISA、つみたてNISAとは

投資

FPsincereです

最近よく耳にする「NISA(ニーサ)」ってどんなものでしょう。

今さら聞けないという人や、投資を考えている人に向けて、NISAの基礎知識から種類、メリット、口座開設方法までわかりやすく解説していきます。

NISAとは

通常、株式や投資信託などの金融商品に投資をした場合、これらを売却して得た利益や受け取った配当に対して約20%の税金がかかります。

NISAは、「NISA口座(非課税口座)」内で、毎年一定金額の範囲内で購入したこれらの金融商品から得られる利益が非課税になる、つまり、税金がかからなくなる制度です。

イギリスのISA(Individual Savings Account=個人貯蓄口座)をモデルにした日本版ISAとして、NISA(ニーサ・Nippon Individual Savings Account)という愛称がついています。

金融庁HPより引用

ちなみに当初はNipponのNでなくJapanのJで『JISA』という案もあったらしいです。日本は投資後進国ですので投資先進国といわれるイギリス、アメリカを真似していくことが多いですね。

現在、NISAには3種類の制度があります。

  1. 一般NISA
  2. つみたてNISA
  3. ジュニアNISA

それぞれしくみが違うので、どのような制度か、3つの比較と利用メリットを解説していきます。

一般NISA

black and silver door knob

NISAとは、2014年1月にスタートした、少額からの投資を行う方のための非課税制度です。

例えば投資信託に投資した場合、「普通分配金」と売却時の「譲渡益」が非課税になります。
ただし、他の口座(一般口座や特定口座)で発生した譲渡益や配当金等との損益通算はできません。

利用できる方日本にお住まいの20歳以上の方(*1)(口座を開設する年の1月1日現在)
非課税対象株式・投資信託等への投資から得られる配当金分配金や譲渡益
口座開設可能数1人1口座(*2)
非課税投資枠新規投資額で毎年120万円が上限(*3) (非課税投資枠は最大600万円)
非課税期間最長5年間(*4)
投資可能期間2014年~2023年
  1. *1 …0歳~19歳の方は、ジュニアNISA口座をご利用いただけます。詳しくはジュニアNISAページをご覧ください。
  2. *2 …NISA口座を開設する金融機関は1年単位で変更可能です。ただし、開設済みのNISA口座で既に株式・投資信託等を購入している場合、その年は他の金融機関に変更することはできません。
  3. *3 …2015年以前分は100万円。未使用分があっても翌年以降への繰り越しはできません。
  4. *4 …期間終了後、新たな非課税投資枠への移管(ロールオーバー)による継続保有が可能です。
NISA口座で非課税となる利益とは

3つの種類の中での、メリットは二つです

  • 主に株式、ETF(上場投資信託)、投資信託を中心とした金融商品に投資できる。対象となる商品の種類は豊富で、国内の投資信託で6000種類以上、外国株式も含まれています。
  • 任意で引き出すことができる。

つみたてNISAとは

pink pig coin bank on brown wooden table

つみたてNISAとは、特に少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です(2018年1月からスタート)。

つみたてNISAの対象商品は、手数料が低水準、頻繁に分配金が支払われないなど、長期・積立・分散投資に適した公募株式投資信託上場株式投資信託(ETF)に限定されており、一般NISAに比べ選択できる商品は10分の1以下しかありません。

利用できる方日本にお住まいの20歳以上の方(※1)(口座を開設する年の1月1日現在)
ただし、つみたてNISAと一般NISAはどちらか一方を選択して利用可能
非課税対象一定の投資信託への投資から得られる分配金や譲渡益
口座開設可能数1人1口座(※2
非課税投資枠新規投資額で毎年40万円が上限(※3)(非課税投資枠は20年間で最大800万円)
非課税期間最長20年間
投資可能期間2018年~2037年
投資対象商品長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託(対象商品についてはこちら
○例えば公募株式投資信託の場合、以下の要件をすべて満たすもの
販売手数料はゼロ(ノーロード)・信託報酬は一定水準以下(例:国内株のインデックス投信の場合0.5%以下)に限定・顧客一人ひとりに対して、その顧客が過去1年間に負担した信託報酬の概算金額を通知すること・信託契約期間が無期限または20年以上であること・分配頻度が毎月でないこと・ヘッジ目的の場合等を除き、デリバティブ取引による運用を行っていないこと
  1. *1 …0歳~19歳の方は、ジュニアNISA口座をご利用いただけます。詳しくはジュニアNISAページをご覧ください。
  2. *2 …NISA口座を開設する金融機関は1年単位で変更可能です。また、NISA口座内で、つみたてNISA一般NISAを1年単位で変更することも可能です。ただし、つみたてNISAですでに投資信託を購入している場合、その年は他の金融機関又は一般NISAに変更することはできません。
  3. *3 …未使用分があっても翌年以降への繰り越しはできません。

3つの種類の中での、メリットは二つです

  • 任意で引き出すことができる。
  • 非課税の枠が20年と長期にわたる

ジュニアNISAとは

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2016年1月から「未成年者少額投資非課税制度」(ジュニアNISA)がスタートしました。

利用できる方日本にお住まいの0歳~19歳の方(口座を開設する年の1月1日現在)
非課税対象株式・投資信託等への投資から得られる配当金分配金や譲渡益
口座開設可能数1人1口座
非課税投資枠新規投資額で毎年80万円が上限(*1)
非課税期間最長5年間(*2)
投資可能期間2016年~2023年(*3)
運用管理者口座開設者本人(未成年者)の二親等以内の親族(両親・祖父母等)(*4)
払出し18歳までは払出し制限あり。(*5)
  1. *1 …未使用分があっても翌年以降への繰り越しはできません。
  2. *2 …期間終了後、新たな非課税投資枠への移管(ロールオーバー)による継続保有が可能です。
  3. *3 …2023年12月末以降、当初の非課税期間(5年間)の満了を迎えても、一定の金額までは20歳になるまで引き続き非課税で保有できます。
  4. *4 …金融機関によって異なる場合がありますので、口座を開設される金融機関にお問い合わせください。
  5. *5 …3月31日時点で18歳である年の前年12月31日までの間は、原則として払出しができません。ただし、災害等やむを得ない場合には、非課税での払出しが可能です。

3つの種類の中での、メリットは一つです

  • 子供の名前で非課税の投資を行うことができる。

NISAはいつまで利用できるのか

NISAは2020年度税制改正によりNISA制度の見直しが行われ、一部新制度が開始されることとなりました。

2023年に終了予定だった一般NISAですが、2024年より内容を新たに「新NISA」として5年間(2028年まで)延長されることとなりました。大きな違いは金融商品を購入するしくみにあります。

現行一般NISAは、120万円という枠内であれば自由に投資できます。新NISAは、まず20万円の枠で金融庁の基準を満たした投資信託を選び、次に、102万円の枠から現行NISAから一部除いた金融商品を選ぶという2段構えのしくみになります。これにより非課税枠は年間合計122万、5年間で610万円に増えました。

一般NISAは2024年から新NISAへ
金融庁HPより

このしくみはよく「2階建て」で表現されていますが、重要なのは1階部分の「つみたてNISA」が対象とする低リスクの金融商品に投資しないと、2階部分の現行NISAが対象とする商品に投資できないという点です。

しかし例外として、すでに現行NISAを利用している人は、いきなり2階部分の株式に投資できます。

また「つみたてNISA」は始めるタイミングが遅くなれば、投資信託などを購入できる年数や金額が減ってしまう点が問題視されていました。しかし新NISAの開始に伴い、「つみたてNISA」の投資可能期間も2037年から5年間延長に。さらに2042年まで、いつ始めても20年間の非課税優遇を受けられるようになりました。

ジュニアNISAは利用者が少ないことから、当初の予定どおり2023年末をもって制度自体が終了となります。原則としてジュニアNISA口座内の金は、口座開設者が18歳になるまで引き出すことはできませんが、2024年以降は制限なく、非課税で引き出すことができます。

口座開設の仕方

NISAを取り扱っている金融機関(平成28年3月時点)

実際にNISAを利用できるかどうか、どのような金融商品を取り扱っているかは個々の金融機関によって異なります。

実際の流れは以下のようになります。

図(税務署での確認を待たずに開設する場合(期間短縮後)のNISA口座開設の流れ)
金融庁HPより

ここで注意すべきは、金融機関によって商品ラインナップが全く違います。

例えばつみたてNISAの商品だけでも、

楽天証券で取引すると、選べる商品数は172種類

みずほ銀行で取引すると、選べる商品数は5種類          2021年4月現在

しかしどちらが良いか悪いかというのはありません。

ネット証券を選択する方も増えてきてますが、すべてご自身で選択、管理する必要がありますので

ご自身のコントロールできると思う金融機関を選ぶのが良い選択かと思っております。

まとめ

日常における来客者への対応から今日は書いてみました。

見ていただいたようにNISAは仕組みですので、やみくもに活用すれば資産が増えるというわけでもありません。

ご自身のライフプランによって適正なものを選択していくことが、豊かな人生を送るポイントとなります。

長文お読みいただきありがとうございました。

FP sincere

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